2-12-1.『しみのすみか物語』
問題は駿台文庫の古文必修問題集(演習編)より。
そして、以下が実際にマーキングして見たものです。
字がやや読みにくくてごめんなさい
ただ画像を載せただけになりましたが、とりあえず以上で
以下は訳と解いたものです。
全訳↓
これも(前の文章を受けて)同じ辺りにいた商人で、仕事には全く真面目にならず、家も貧しくなっていって、今は食べられるものでさえなくなった人がいた。
その商人の妻であった人が、恨み注意していったことには、
「あまりにも身分不相応な風流なことだけ好んで、月や花にだけ浮かれ続けなさるので、このように落ちぶれました。全てあなたの不甲斐なさから起こったことであるよ。
お隣のご主人をみなされ。朝は暗い時間から起きだし、夜は日が回るまで起きていて、冬は雪や氷が降っても、夏の日は雷鳴が激しく轟いてもただ 仕事を大事にして、勤めたので、年々家は豊かになり、今日には並ぶものがいないお金持ちになった。
あなたも隣の主人に見習って今から仕事に真面目になさって、再び家を裕福にし過ぎてしまった昔にお戻しになれ。」
と涙ぐんで言ったところ、商人は怒って
「風流のない人を持ち上げて、私の雅な心を良くないと否定することは愚かである。
隣の主人は、一日中走りつづけ、ほんのちょっとの休む暇さえなく、心やすまるときはない。落ち着いて楽しんでいる日は、ただ大晦日の一日のみである。
わずか一日をのどかに楽しもうとして、長い一年の日数を苦しみ喘ぎて困ろうとすることはとてもとても愚かな心であることよ。
そのような風流のない人のことを私は見習ったりはしない」
と言って、ますます遊び続けたという。
問1:a「つやつや」…下に否定形を伴って「全く~ない」と訳す。→イ
b「便なし」…不都合だ・良くない と訳す。→オ
c「あからさまなり」…ついちょっと・ほんのちょっと と訳す。→オ
d「ここら」…これは単語そのものは知らなかった人はいたかなと。
しかしここの文章、直前の「わづかに~楽しまむとて」と対句になっているのがわかるでしょうか?それによって、 ウになります。
問2:(下がず なので)未然形がiの音。つまり上2段活用ですね。
ゐ・ゐ・ゐる・ゐる・ゐれ・ゐよ
問3:②べき・だに・ぬ が掴めたら逐語訳でいけますね。
べき・ぬに関してはマーキングのところにあるから良いとして、だには
1:~さえ
2:せめて~だけでも(最低限といいます)と訳します。
2の場合には比較対象が存在しますので今回は1です。よって
「食べられるものさえなくなってしまった。」となります。
④二なき とは、2人といない…つまり並ぶものがいないというように訳せます
「並ぶものがいないお金持ち」
問4:時間は干支で数えます。1つの干支につき2時間です。
子は「ね」。つまりねずみなので最初ですね。
だから午後12時頃(午前0時頃)です。
問5:「隣なる主人は、~」の文章を選んでしまう人がいると思いますが、この一文には「商人の考え」がないですよね? ですので、ここを選んでしまうと残念ながら正解とはいえず、
「わづかに一日」のほうが正解となります。
問6:ここでは風流のない人を指し、またその人見習う気はないと言ってるでCのことですね。
ではマーキング見たら一目瞭然ですね。
Cを辿ると良いので、「隣なる主人」です。
問7:この問題に関しては本文にはっきりとは書いていませんので、
「風流なことをして」「楽しんで暮らしたい」というようなことが含まれていると十分です。
以上です。
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